1人で、しんどかったこと。

事件

一人で会社をやってるとはいえ、日々、お客様に会い、
デザイナーさんや代理店の方と打ち合わせをしているので、
特段、一人になったと感じることはなかった。

何の問題もなく、なんなら超快適に過ごしていた。
しかし忘れもしない2000年8月3日、事件が起きた。

独立した初年度、かなりの黒字が出そうだった。
当時、パソコン減税で、PCや関連機器は全額経費で落とせるってことで、
パソコンに詳しいK美ちゃんに付き添ってもらい、
いそいそと池袋のビッグカメラに行った。

アルバイトさんのためのパソコン・プリンター等周辺機器も新しいものにした。
自分の出張用には当時最新のMacノートibookを買った。
ちょっと贅沢してしまったけど嬉しくて、
ibookだけは手持ちで家に持って帰った。

その日は夕方から、A姐さんとSりんと食事をすることになっていた。
（A姐さん・Sりんとの出会いは、また書きたいと思う）

パソコン選びで結構時間がかかり、あっと言う間に約束の時間になった。
買ってきたibookも開梱できないまま「明日の楽しみにしよ〜」と食事に出かけた。

確か六本木のちょっと豪華なタイ料理。
3人で、美味しく楽しく話してるとあっと言う間に時間がたっていた。
まだ終電もある時間だったけど、
ご機嫌なまま、ちょっと贅沢してタクシーで家に帰った。

ほろ酔い気分で玄関の前で鍵を探していると、
Marlboroって書いてある（タバコのフタ部分の）紙が落ちていた。

私はタバコは吸わないし、そもそも何でフタだけ落ちてるんだろ？
と思ったけど、ほろ酔いってこともありそんなに気にしなかった。

そして家に入ると、TV台の上に置いている
フエルトの花を入れている小さな花瓶が落ちていた。

出かける時にバタバタして落としてしまうことは度々あったけど、
私は必ず、フエルトのお花も一緒に台に戻すのが習慣だった。

でも、その時は花瓶だけがTV台に乗っていて、
フエルトの花は床に落ちたままだった。

絶対にそんなことしないなって、ちょっと変な感じがしたけど、
今日買ったばかりのibookはそのままだった。

「もし泥棒なら、ibook持ってくよ！」と思い、
気のせいだということにした。

そして翌朝、ちょっと寝坊して慌てて用意していたら、
お客様からアポのキャンセルの電話が入り、
「も〜、焦って損した〜！」なんて思っていたら、またまた電話が鳴った。

電話を取ると
「F銀行K支店の支店長の○○です。
経理担当の方はいらっしゃいますか？」と言われた。

「はい、私です。」と言うと

「今、御社の方がお越しになり、
窓口から４００万円を引き出そうとされてますが、
いつもカードでの支払をされていますので、念のための確認です。」と言われ

「うちの会社は社員はいませんので、
私以外が預金を引き出すことはありませんよ。」と言うと

「御社の通帳・印鑑と社長さんの保険証を持っています。
銀行としては所定の書類を持っていると対応しなければいけません。
まず警察に通報してください、何とか行員が時間を引き伸ばしてますので。」

もう何が何だかわからなかったけど、
確かに会社の通帳も印鑑も保険証もなくなっていた。

そう、昨夜、窃盗団に入られ、
通帳・印鑑・保険証を盗まれていて、朝イチで引き出しにきていたのだった。

【今日のわんこ】