信頼があるから、私はこの仕事を続けられている 〜“人との関係こそ最大の資産”。感謝と決意を込めて〜
今でも忘れられない、あの日の出来事
会社を立ち上げてから、気がつけばもう25年以上が経ちました。
その中でも、「これは一生忘れない」と思うほど、強く心に残っている出来事があります。
それは、ある社団法人と一緒に進めていたお仕事でのことでした。
私たちは、企業と学生をつなぐ合同説明会の企画・運営を担当していました。
最初のきっかけは、関東支部の支部長だった大学教授と、社団法人の企画部長からいただいた依頼でした。
その教授は、「企業にも学生にも、もっと良い機会を届けたい」という思いを持った方。
当初は参加企業7社・学生100名ほどの小規模なスタートだったものが、
私たちが企画・運営に携わらせていただくようになった数年後に
50社・3000名規模へと成長し、企業・学生双方から高い満足度を得られるイベントになっていました。
*
思いが伝わらないこともある
ところが、支部長が交代したある年、私たちの取り組みに対し「不信感」を持つ方々が現れました。
「社団法人の意向に沿わず、勝手にビジネスをしているのでは?」
そんな声が上がり、支部の会議で私たちが説明を求められることに。
これまでの実績や反応を、できる限り丁寧に説明しましたが──
返ってきた言葉は、非常に厳しいものでした。
「社数や学生数が多ければいいってもんじゃない」
「全国に向けてやる必要なんてない」
「君たちのやり方は、社団法人の方針とは合わない。正直、迷惑している」
その言葉を最後に、私たちは会議室に置き去りにされました。
唖然として、言葉が出ませんでした。
「あんなに一生懸命やってきたのに…」
「感謝されることも多かったのに、どうして…」
悔しさと、虚しさでいっぱいでした。
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「やめてやる」…でも、そのとき仲間が
その夜、私は決めました。
「もう、やめよう。こちらから断ろう」
「やれるものなら、やってみてください」
普段はニコニコしている私ですが、腹が決まると案外強いんです(笑)
でも、これまで一緒に頑張ってくれたメンバーにどう伝えるかが、一番悩みでした。
翌日、会社でその話をすると──
メンバーたちは、迷わずこう言ってくれました。
「そうしましょう。私たち、ついて行きます」
その言葉に胸が熱くなって、涙が出そうになりました。
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「信頼」が動かした、次の展開
その後、私たちは社団法人の理事や委員の方々に、
これまでの経緯と気持ちを丁寧に、冷静に伝えました。
「私たちは、誠実に仕事をしてきました。
でも、信頼関係が崩れてしまった今、これ以上の継続は難しいと思っています」
さらに、以前から顧問としてお世話になっていた
社団法人の元副会長でもある大手メーカーの元専務に相談すると、
このように言ってくださったんです。
「これは中小企業に対して、あってはならない対応だ」
そして、すぐに社団法人内で働きかけてくださり、
結果的に、私たちは引き続きイベントの運営を任されることになりました。
しかも、これまで以上にしっかりとした契約を交わしたうえでの再スタートでした。
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「見てくれている人は、ちゃんといる」
この一連の出来事を通じて、私はあらためて感じました。
「どんなに理不尽なことがあっても、誠実に働いていれば、必ず見てくれている人がいる」
メンバーが迷いなく「ついて行きます」と言ってくれたこと。
企業の担当者が私たちを応援し続けてくれたこと。
顧問が、心強い味方として動いてくれたこと。
それはすべて、日々の積み重ねで築いた“信頼”が動かした出来事だったんだと思います。
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最後に 〜これから起業するあなたへ〜
ビジネスって、スキルや知識ももちろん大切です。
でも、どれだけ優秀でも、信頼されなければ仕事は続きません。
逆に、誠実に向き合う姿勢さえあれば、きっと周りはあなたを助けてくれます。
私がここまでやってこられたのは
信頼し合える人たちと、共に歩んでこられたからです。
だからこそ、これから起業や独立を考えている方へ、こう伝えたい。
「人との関係こそ、最大の資産です」
人を大切にする人は、必ず誰かに、大切にされるから。
信頼は “ふだんのふつう” から生まれる 〜守ること、伝えること、積み重ねること〜
信頼って、どうやって築くもの?
「信頼が大事」──
ビジネスの世界で、何度も聞いてきた言葉です。
でも実際、「信頼される人ってどんな人?」と聞かれたら、答えるのは簡単じゃありません。
丁寧な言葉づかい?
笑顔で接すること?
もちろんそれも大事ですが、私が思うのは、もっとシンプルなこと。
「言ったことを、ちゃんとやる」
・約束を守る
・時間を守る
・報告・連絡・相談をする
そうした、“ふだんのふつう” を丁寧に続けていくことこそ信頼につながると実感しています。
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時間に厳しかった父のおかげで
私が小さい頃から叩き込まれていたのが、「時間を守る」という習慣です。
特に父はとても時間に厳しくて、家族でどこかに出かけるときも、
「30分前には玄関にいなさい」
という人でした(笑)
そんな家庭で育ったので、私も自然と「早め早め」が身についていきました。
今でも、アポイントには最低でも10分前には着くようにしています。
でも、結局30分くらい早く着いちゃうこともあって、
近くのカフェで時間をつぶしていたりします(笑)
この“時間への意識”は、いつの間にかメンバーにも伝わっていて、
お客様にも「いつも早めに来てくれるから安心」と言ってもらえるようになりました。
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“当たり前のこと”を、きちんとやる
時間だけではなく、資料の納期やお約束ごとは必ず守ります。
もし何かあって遅れる可能性が出てきたら、必ず事前に連絡します。
こうしたことって当たり前すぎて、わざわざ言うほどでもないように思えるかもしれません。
でも、私は思うんです。
“当たり前のことを、当たり前にやり続ける”って、実はとても難しい。
でも、それこそが「この人に任せておけば大丈夫」という信頼につながるんですよね
あるお客様から、こんなふうに言っていただいたことがあります。
「御社にお願いしていると、こっちが納期を忘れててもちゃんと届くから、安心して任せられます」
そんなふうに言ってもらえるのが、何よりうれしいです。
*
一瞬では築けないけれど、確実に育っていくもの
ときには、無理かもしれないようなタイトな案件もあります。
でも、そんなときこそチームみんなで力を合わせて、なんとか形にしていく。
「本当にお願いしてよかった」と言ってもらえるたびに、
やっぱり信頼ってこうして築いていくんだなと感じます。
*
最後に
信頼は、大きなことを一度やったから得られるものではありません。
・小さな約束を守る
・丁寧に対応する
・伝えるべきことを、ちゃんと伝える
そんな“ふだんのふつう”の積み重ねが、やがて大きな信頼になっていくのだと思います。
そして、それは一度崩れると簡単には戻らないものでもあります。
だから私はこれからも、
「言葉だけじゃなく、行動で信頼をつくる人でいたい」
「信頼されるチームをつくりたい」
そう思い続けながら、日々の仕事に向き合っています。
もし今、少し立ち止まっている方がいたら──
ぜひ一度、「自分は約束をどう守っているか」を振り返ってみてください。
それが、信頼を築く第一歩になるかもしれません。
“裏方”への感謝を忘れない経営者でいたい 〜目立たないけれど、大切な存在に光を当てる〜
表に出るのは社長。でも、支えてくれているのは…
会社をやっていると、「代表」として前に出る機会が自然と増えます。
商談でもイベントでも、話すのは私。決断するのも私。
でも、ふと立ち止まって思うんです。
「いや、これ、私ひとりじゃ絶対にできなかったよね」
資料をまとめてくれる人、請求書を出してくれる人、
配送を手配してくれる人、段取りを整えてくれる人──
そんな“目立たないけど、なくてはならない存在”がいるから、
私は安心して、前に出ることができているんです。
だからこそ私は、裏方の人たちにちゃんと感謝を伝えられる経営者でありたいと思っています。
*
起業したての頃、支えてくれたのは“まわりの人たち”
起業したばかりの頃、広告の仕事をしていて、
制作はフリーランスのデザイナーさんにお願いしていました。
その中に、よく一緒に仕事をしていた女性のデザイナーさんがいました。
仕事だけでなく、ちょっとした悩みも相談できる大切なパートナー。
とても丁寧で納期も守る信頼できる方だったのですが、
ある日、納品物に小さなミスがありました。
すぐに修正して、お客様も「大丈夫ですよ」と言ってくださったのですが、
私は「どうしてミスが起きたんだろう?」と、確認のために聞いたんです。
すると彼女は、申し訳なさそうに、こう言いました。
「すみません…ミスの分の費用は、私が払います」
驚きました。責任を押しつけるつもりなんて、まったくなかったのに。
*
「一緒にやってくれてる人」を大切にしたい
そのとき、彼女がぽつりと漏らした言葉。
「今まで、ミスがあると全部自分の責任にされて、
報酬を減らされたりしてきたんです。フリーランスって、立場が弱くて…」
聞いていて、胸がぎゅっと締めつけられるようでした。
私はこう言いました。
「私は、絶対に責任を押しつけない。
でも、ミスは起こしたくないから、一緒にチェックの体制を作ろう」
そこから二人でチェックフローを整え、ミスはほとんどなくなりました。
お互いに安心して、もっといい仕事ができるようになったんです。
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小さな「ありがとう」を、ちゃんと伝える
私は日々の中で、できるだけ「ありがとう」を伝えるようにしています。
・コピーを取ってくれたら「ありがとう」
・郵便物を持ってきてくれたら「ありがとう」
・資料を作ってくれたら、もちろん「ありがとう」
些細なことでも、思っているだけじゃ伝わらない。言葉にしないと届かない。
だからこそ、ちゃんと「ありがとう」を伝える。
それだけでも、職場の空気って変わるし、みんなが自然に動けるようになる気がするんです。
“見えにくいけど、確かにそこにいる人”に、
感謝の気持ちをちゃんと届けられる組織でありたいと思っています。
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「社長だから」じゃなく、「できる人がやる」
イベントの日には、スタッフにちょっとした差し入れをすることがあります。
「これ食べたかったやつです〜!」なんて喜んでもらえると、私までうれしくなります。
合間にコンビニでコーヒーを買っていくこともあるのですが、
たまに驚かれるんです。
「えっ、社長さんがそんなことしてくれるんですか!?」
でも、私は全然特別なことだと思っていません。
仕事はみんなで作るもの。
手が空いていたら、社長だってコーヒーくらい買いに行くし、
「お願いします」「ありがとう」は、誰が言ってもいい。
役職や上下ではなく、人として自然に言い合える関係が、
気持ちよく働けるチームをつくるんだと思っています。
*
最後に
私は思うんです。
“目立たない人を大切にできる人が、信頼される経営者”なんじゃないかって。
どんなにスキルがあっても、実績があっても、
「またこの人と仕事したい」と思ってもらえるかは、人柄と姿勢だと思います。
これから起業する方、チャレンジしようとしている方へ。
“見えないところで支えてくれている人たち”に、どうか目を向けてください。
その人たちが、あなたの仕事を根っこから支えてくれています。
そして、彼らを大切にできたとき、
きっと、あなた自身の仕事ももっと好きになれると思います。
応援したくなる人になる ~あの一言が、今も私を支えてくれている~
起業に“特別な何か”はなかった
私のビジネスには、特別なコネや派手な営業力があったわけではありません。
でも、ずっと大切にしてきたことが、ふたつあります。
・感謝を、ちゃんと言葉で伝えること
・約束を、たとえ時間がかかっても守り続けること
このふたつをコツコツと積み重ねてきたことで、
ありがたいことに、多くの信頼とお仕事に恵まれてきました。
今日は、その中でも私にとって特別なエピソードを紹介します。
*
はじめは冷たかった、あの人の本音
会社員時代、外資系化粧品ブランドの人事部長さんを担当していたことがあります。
最初の印象は…正直、ちょっと怖かったです。
前任者をとても気に入っていたようで、私にはどこか冷たい態度。
「どうせすぐ交代する担当者」と思われていたのかもしれません。
それでも私は、毎日資料を届けたり、採用セミナーのお手伝いをしたり、
地道に誠実に、できることをコツコツ続けました。
すると、少しずつその方の態度が変わってきて。
やがて、本当にあたたかく接してくださるようになったのです。
*
「あなたは、うちの会社のファミリーだから」
ある日、私の身なりを見て、
「ちょっとちゃんと口紅つけなさい」と、化粧品を手渡してくださったり、
イベント後には「よく頑張ったね」と労ってくれたり。
「あ、私、信頼されてるかもしれない」そう感じる瞬間が、
少しずつ増えていきました。そして、私が独立したときのこと。
普通なら、大手外資と取引なんて難しい状況なのに、
その方は会社の役員にかけ合って、取引口座を開いてくれました。
「あなたは、うちの会社のファミリーだから」
そう言ってくださったときの、あの嬉しさは今でも忘れられません。
*
「あなたを応援しよう」って、みんなで決めたんだよ
あとから教えてもらったことがあります。
「あなたは時間も約束もちゃんと守るし、こちらの立場にも立って考えてくれる。
どんな相手にも挨拶を欠かさない。
そんな人が独立したんだから、みんなで応援しようってなったんだよ」
その言葉を聞いたとき、涙が出そうでした。
私は特別なことはしていない。
でも、感謝と誠意を忘れなかった。
それが、ちゃんと届いていたんだと感じた瞬間でした。
*
初めて社員を採用したときのサプライズ
さらに忘れられないのが、私が初めて社員を採用したとき。
その方が「一度オフィスに来なさい」と言ってくださり、
新入社員たちの前で、こう話してくれたんです。
「まずは鞄の中をきちんとすること。
鞄がぐちゃぐちゃな人には、大事な仕事は任せられない。
社長を見習って、頑張ってね」
さらに、お化粧品のギフトまで用意してくださっていて。
その気遣いにも、温かさにも、胸がいっぱいになりました。
*
最後に
「感謝を伝えること」って、すぐに結果が出ることではありません。
でも、そこから生まれる信頼やご縁は、長く深く続いていきます。
小さな「ありがとう」を、ちゃんと言葉で伝える。
時間を守る。約束を守る。挨拶を丁寧にする。
そういった当たり前を積み重ねていくことが
結果として、「応援される人」をつくっていくのだと思います。
これからも私は、
誠実に、丁寧に、「応援したくなる人」でありたいと思っています。
断ることが、信頼を生むこともある ~“ノー”が言えなかった私の工夫~
はじめに
起業したばかりの頃の私は、
「人脈を広げなきゃ」「チャンスを逃しちゃいけない」と、
誘われた飲み会や交流会には、ほとんど顔を出していました。
30代で女性経営者ということもあって、
さまざまな業界の方に声をかけていただき、
たくさん学ばせてもらったことも確かにあります。
でも、あまり思い出したくないような出来事も少なくなかったんです。
*
「お祝いしましょう」の一言が、まさかの展開に
あるとき、起業したことを知った以前からのお知り合いが、
「独立おめでとうございます!お祝いしましょう」と誘ってくださいました。
会社員時代にも親しくしてくださっていた方だったので、
私も純粋に嬉しくて、喜んでご一緒させていただきました。
ところが――
帰りのエレベーターの中で、突然、
「ずっと気になってたんです」
と、距離を詰められて…キスされそうに。
咄嗟に笑ってごまかして、なんとかその場を逃れました。
「お酒の席のことだから」と、そのときは自分に言い聞かせましたが、
後になって、社員へのセクハラまがいの言動もあり、完全に縁を切ることになりました。
*
「断る」ことが難しかったから、工夫した
当時の私は、まだまだ若くて、
「ノリが悪い」「空気読めない」と言われるのが怖かった。
だから、はっきり“ノー”と言うのが本当に苦手でした。
そのかわり、自分の中にルールをつくりました。
•「一人では飲みに行かない」
•「打ち合わせは、お酒の出ない場所・時間帯で」
•「お酒が好きでも、“仕事では飲まない人”という設定にする(笑)」
完全に断ることができなくても、やんわりと距離を取る工夫をしながら、
自分を守っていたんだと思います。
*
「飲み会」が仕事につながったことは、ほとんどなかった
今振り返ると、あの頃に参加した飲み会から
本当に仕事につながったことって…ほぼなかったんです。
むしろ、きちんとしたお仕事に発展したのは、
お酒のない場で、真剣に向き合ってくれた方たちとのご縁でした。
当時の私は、怖くて断れなかったけれど、
そうして工夫しながら距離をとってきたことが、
今の自分につながっている気がします。
*
最後に
起業したばかりの頃って、「チャンスを逃しちゃいけない」と思って、
つい何でも“イエス”と言ってしまいがちです。
でも、私は今はっきり言えるようになりました。
「断ること=関係を壊すこと」じゃない。
「自分の違和感に向き合うこと」が、信頼を生むこともある。
全部に付き合わなくていい。
全部に“行かなきゃ”と思わなくていい。
自分の感覚を信じて、自分を守ること。
それも、立派な“経営判断”のひとつです。
信じられる人と働きたい 〜人柄で選ぶようになった理由〜
起業のきっかけと、最初の必死さ
私が起業したのは、34歳のとき。
父も兄もサラリーマン、母はパート。
まわりに経営者はひとりもいない環境で、コネも人脈もゼロのスタートでした。
だから最初は、とにかく人とつながりたくて必死でした。
異業種交流会やビジネスのパーティ、勉強会など…
行けるところには全部参加して、名刺を配りまくっていました。
30代で女性の経営者というのもあり、
声をかけてくれる方も多く、親切に教えてくださる方もいて。
ありがたく思う反面、実はいい出会いばかりではなかったんです。
*
「すごそうな人」に振り回された経験
ある時、急成長中というIT企業の社長さんと出会いました。
「今、採用に力を入れてるから一度オフィスに来てよ」と誘われて、
少し上から目線だな…とは感じつつも、
仕事につながるかもしれないと思って訪問しました。
でも、そこにあったのは予想外の展開。
「年収がいくら」「マンションを買った」「愛人がいる」…
終始“自慢話”のオンパレード。
最後には、「このあと飲みに行かない?」というお誘いまで。
「あ、これは仕事じゃないやつだ」
そう感じて、その後は自然に距離を置きました。
今思えば、あれは早めに離れて正解だったと思っています。
*
真逆のタイプの、信頼できる人
一方で、まったくタイプの違う方もいました。
私が会社員時代に担当していた、あるお客様。
最初はとても厳しく、ある日強く指摘され、
若かった私はつい感情的になってしまいました。
「だったら、もう担当やめます!」
でもその方は冷静に、こう言ったんです。
「じゃあ、あなたのやり方で結果を出してください。
出せたら、あとは任せますよ」
そこから必死にがんばって、なんとか結果を出しました。
すると、本当に「任せます」と言ってくれて。
その後もずっと信頼して仕事を任せてくれました。
独立してからも、変わらず紹介してくださり、
一緒に食事に行ったこともないのに、ちゃんと私の提案を社内で通してくれて。
本当に誠実で、信頼できる方でした。
*
人を見る目が変わったきっかけ
この2つの出会いで、私は「人の見方」が大きく変わりました。
以前は、「すごそうな人」「肩書きが立派な人」に惹かれることもありました。
でも今は、見るポイントが変わりました。
• 小さな約束をちゃんと守れる人か
• 表面だけじゃなく、誠実に向き合ってくれるか
人柄の信頼感こそ、長く付き合えるかどうかの決め手だと実感したんです。
*
最後に
仕事って、結局「人と人」です。
だから私は、“信じられる人”と働きたい。
そして、“信じてもらえる人”でいたい。
実績よりも、見た目のすごさよりも、
誠実さこそが、仕事を支えてくれる本当の力になります。
これから起業や独立を考えている方がいたら、
ぜひこう問いかけてみてください。
「この人、本当に信じられる?」
きっと、その“問い”が、あなたの仕事の未来を変えてくれるはずです。
やってもらったことは、絶対に忘れない 〜“感謝”が仕事を育てる〜
「どうしてそんなにお客様と仲がいいんですか?」
「取引先の方と、長く付き合える秘訣ってあるんですか?」
そんなふうに聞かれることがあります。
私の答えは、いつも同じです。
「たぶん、両親の教えのおかげです」
父も母も、特別な仕事をしていたわけではありません。
でも、ずっと繰り返し言っていた言葉がありました。
「自分がやったことは、すぐ忘れていい。
でも、やってもらったことは、絶対に忘れないで、ちゃんと感謝しなさい」
もうひとつ、厳しく言われていたこと。
それは、「感謝は、ちゃんと言葉で伝えなさい」ということでした。
「ありがとう」の習慣は、子どもの頃から
たとえば、お年玉やお小遣いをもらったら──
必ず「ありがとう」のハガキを書くように言われていました。
正直、子どもの頃はちょっと面倒で…
「え〜、また書くの?」なんて、いやいや書いていた気がします(笑)
でもある日、親戚から「お葉書うれしかったよ」と言われたとき、
それがとても嬉しくて。
それからは、自分から進んで書くようになっていました。
社会人になっても続けていた“お礼状”
営業職になってからは、毎日100社近くを飛び込みで回っていました。
名刺をもらえるのは、ほんの数社。
優しくしてもらえることなんて、ほとんどなかったです。
だからこそ、名刺をくださった方には
心からのお礼を込めて、手書きのハガキを出していました。
そんなある日、大手メーカーの人事の方から会社に電話が。
「一度、オフィスに来てください」
伺ってみると、こう言っていただきました。
「営業さんには名刺だけ渡すようにしてるんです。
でも、お礼のハガキをくれたのは、あなたが初めてでした。
それを見て、仕事を任せてみたいと思ったんです」
それが最初のご縁になり、その後30年以上もお付き合いが続いています。
今でも、たくさんのことを教えてくださる、大切な方です。
「信頼」は、小さな積み重ねから生まれる
ビジネスの世界には、理不尽なことも、結果が出ないこともあります。
でも、私がずっと大切にしてきたのは、
• 感謝を忘れないこと
• してもらったことを、ちゃんと心に刻むこと
小さなことのようですが、こうした積み重ねが、
「信頼」という目に見えない、でも何より大事なつながりを育てていくんだと実感しています。
両親の教えは、すごくシンプルだけれど、
今の私にとって、経営の一番の土台になっています。
最後に…
これから起業を考えている方、社会に出たばかりの方、
どんな立場の人にも伝えたいことがあります。
それは──
「まずは、感謝を大切にしてみてください」ということ。
ノウハウやテクニックも大事ですが、
感謝から生まれる信頼こそが、
あなたを支えてくれる“人”とのご縁を運んできてくれます。
私もまだまだ勉強中ですが、
この小さな話が、心に少しでも残ってくれたら嬉しいです。