運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 45(A姐さん)

*前回からのつづき

 

クリスマスパーティのあと、Yから連絡があった。


「A姐さんと大丈夫でしたか?いい方だけど、
ちょっと浮世離れした強烈な方なので、心配してました」と。


「全然そんなことなくて、
すっごく良くしてもらったし、楽しかったよ」と伝えると、
「僕もA姐さんにすごくお世話になっていて、
いつも、色んな方を紹介してもらってるんです。」と。


そういえば、クリスマスパーティの時も
「私ずっと秘書の仕事をしているから、自分が前に出るのではなく、
自分の紹介で人と人が出会って、そこからビジネスが生まれたり、
いい関係になるのを見るのが好きみたい」って言ってた。


自分でビジネスをして、自分が主役になりたい超営業気質の私に
秘書の仕事はできないな~と思ったのを思い出した。


それから数日後、早速、A姐さんから
「社内で広告の案件があるから、つないでおいたわ。
時間ある時にオフィスに来て」と連絡があった。


飲んだ席での話しだったし社交辞令だと思ってたので
ちょっとビックリしつつも、すぐにA姐さんのオフィスに伺った。


A姐さんの紹介だから、担当者もとても対応良くしてくださった。
ただ、私のやっている広告とは少しジャンルの違うものだったので、
知り合いをご紹介することになった。


「あら、せっかく来てもらったのに、ごめんなさいね。
お詫びに今度、ごちそうするわ」と言ってくれた。


ジャイアンや女王様といると、ささくれた気持ちになるけど、
会ったばかりの方に、こんなに優しくしてもらって嬉しかった。


数日後の夜、会社にいる時にA姐さんから電話があり、
「あなたのオフィスの近くでお客様と飲んでて、
もうすぐ終わるから、飲みに行かない?」とのお誘いだった。


まだみんな会社にいたから、出て行く時にちょっと嫌味を言われたけど
ジャイアンと女王様はいつも午後から出社だけど…!)
せっかくのお誘いなので、A姐さんと一緒に飲みに行った。


クリスマスパーティの時はゆっくりお話しができなかったから、
お互いの話しをすることになった。


A姐さんは元銀行員で、旦那様のお仕事の関係でずっとロンドンに住んでいた。
ロンドンでは専業主婦だったけど、
日本に戻ることになって秘書の仕事を始めたそうだ。


それ以来ずっと、その時のボスについて秘書をしているとのことだった。
そのボスがIT業界の重鎮なので、若手経営者の方が相談に来ることも多いようで、
A姐さんが色んな方を繋いであげているようだった。
だから皆さん、A姐さんには頭があがらないみたい。


都内の高級マンションに住み、見るからにゴージャスで。
Yが言うようにちょっと浮世離れしてるけど、
すごく優しくてお話しも面白かった。


色んな話しをしているうちに、
実は今の会社を辞めて、自分で会社を作ろうと思ってるって話しもした。


「絶対に一人でやったほうがいいわ。
経営者は孤独じゃなきゃいけないの。ずっと秘書やってるからわかるの。


私もできる限りのサポートするから、頑張ってね。
何かあったら、いつでも連絡ちょうだい。いい相談相手になると思うわよ」
と言ってくださった。


もちろん会社を設立するのは決めていたけど、
今の仕事もやりながら、誰にも相談できずに一人でやっていたので、
本当にありがたく嬉しかった。


その後も「〇〇社長と会食で、美味しいもの食べるから一緒に行きましょ」とか
「気心知れた経営者の方々のパーティがあるから行きましょ」など
お誘いしてもらい、今まで行ったことのない高級フレンチや懐石料理、
銀座のクラブなどなどにたくさん連れて行ってもらった。


そして、A姐さんはいつも
「一流のものに触れることは経営者には大事なことよ!」って言ってた。


だけど、ときどき興味本位で、
A姐さんが普段は行かない、居酒屋やファーストフードに行きたがるので
お連れすると「お腹こわしちゃたわ」と言ってくる、かわいい人でもある。



つづく


 

【今日のわんこ】

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