運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 39(H部長とジャイアンの悪巧み)

*前回からのつづき

プロジェクトは着々と進んでいた。
1ヶ月ごとに、うちの会社とS社それぞれが進捗状況を報告している。


H部長は、ジャイアンには詳細のデータを見せて
簡単に報告資料作成ができるようにしていた。
ところがS社のHくんには最低限のデータしか出さず、
Hくんが追加のデータをお願いしようものなら、
無能扱いして怒鳴っていたようだった。


Hくんから「次回の報告会の資料作成したいんですけど、
H部長が必要なデータを出してくれなくて。麦とオレンジさんはどうしてますか?」
と相談されたので、私はジャイアンに内緒でHくんにデータを渡していた。


お互いにいい仕事をするためには情報共有したほうが良いはずなのに、
ジャイアンは自分がH部長から特別扱いされていることが嬉しいみたいで。

私がデータを渡したことを知ると、
「何やってんだよ!あいつら切ったほうがうちの売り上げになるんだから、
邪魔するなよ」と言ってきた。


さらにH部長は、今までS社に発注していたブローシャー等を、
全てうちとS社のコンペにすると言いだした。

より良いものを作りたいからと表向きには言ってたけど、、、
Hくんから見積もりが出ると、それをジャイアンに渡して
ジャイアンは少しだけ低い金額で見積もりを出していた。


公平なコンペで勝ったことになっていたが、
同じ会社の人間として本当に情けなかったし、Hくんに申し訳なかった。


そして、うちに仕事をまわす分だけH部長の要求は強くなっていった。


H部長の紹介でこのプロジェトに入った、お嬢様大学出身のSさん。
実は、この2人は前職でもろもろと関係があったようだ。
そして、H部長は何かとSさんを優遇しようとしていた。


例えば報酬額。私の紹介でこのプロジェクトに入っているOさんとSさんでは、
Oさんの方がキャリアが上。経験があるからこそ、
こちらがお願いをしてプロジェクトにかかわってもらっていた。

ところがH部長は、Sさんの報酬をOさんよりも高く設定していた。


当時Sさんは、都内に実家があるものの、ご主人の転勤で北海道に住んでいた。
だから、プロジェクトの業務をするためには、毎回飛行機代がかかっていた。
そして仕事帰りはジャイアンがご実家まで、車で送っていくか
タクシー代を出していた。


挙げ句の果てには、(業務には必要ないけど)Sさんが個人的に使いたい
ノートパソコンを購入するように言ってきた。
そのうち、プライベートで行ったとしか思えない、
箱根のホテル、高級イタリアン等々の領収書もまわってくるようになった。


これらのお金は、全てうちの会社の経費として処理していた。
ジャイアンは私に隠してるつもりだったけど、
私が経理をしていたからもちろん気づいてしまう。


あまりにも当然のようになっていったので、
「これって、横領みたいなもんじゃないの?」と言ったら、
「俺がH部長の接待で使ったお金なんだから問題ないだろ。
ビッグクライアントなんだから、これくらい当たり前だろ。」
と逆ギレして開き直った。


もう言い返す気力もなくなっていて、
とにかく、このプロジェクトを早く終わらせようと思った。


そして、この頃から私の体に異変が起こり始めた。
ジャイアンが会社に来る夕方になると、首から下に蕁麻疹が出るようになった。

洋服で隠れてるからみんなは気づかなかったけど、
真っ赤な斑点が身体中に出ていた。

自分の体がアラートをあげてきていた。


つづく


【今日のわんこ】

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