運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 26(毎年恒例の海外旅行)

*前回からのつづき

設立当初はどうなることかと思ったけど、
何とか仕事は順調になり、収入も安定してきた。

経営に少し余裕が出てきた頃に、
女王様が「クリスマスはみんなで旅行に行こう」と提案した。

こんなにも色んな事件があったにも関わらず、
対外的には仲の良い会社に見せていた。
ジャイアンと女王様の事件についてだって、もちろん外に言えるわけもなく。
前職の仲間が遊びに来るときはいつも仲が良い感じにしていたから、
「本当にいい会社ですね!」と言わたりもした。

みんなで旅行へ行くというのは、
「私たちは独立して上手くやってます!!」という外へのいいアピールになる。

(外へアピールできたからって何なんだと思うけど、
見栄っ張りな女王様にとっては、それはとても大事なこと。)

ただ女王様の本音は、クリスマスの踏み絵だったような気がする。
ジャイアンと浮気相手Sちゃんとの関係は続いていたけど、
社内でその話しは暗黙の了解でタブーだった。

プライドの高い女王様は多分、
クリスマスにジャイアンがSちゃんと過ごすのは許せなかったんだろうと思う。
その年から、毎年恒例の海外旅行が始まった。

旅行先について、どこへ行きたいか毎年聞かれるものの、
基本的には全て女王様が決めていた。

そして、女王様は『地球の歩き方』の信奉者で、
本の情報のみで旅行日程を作成していた。

現地に着いてからも女王様のプランで動くことになる。
ちょっと美味しそうなお店があっても
「この後、私が調べて美味しい店に行くからここはダメ」とか、
「買い物は最終日に時間をとってるから、今はダメ」とか、
修学旅行のように時間配分をしてくる。

私は、旅行はあまり予定を決めず現地の人などに聞いて、
良さげなお店に行ったりするゆるい感じが好きだったから、
いちいち行動を制限されることに、ストレスがたまっていた。

ジャイアンと地蔵男子くんも私と同じような感じだったけど、
嬉々としてツアーガイドをやってる女王様は、
そんなことお構いなしに自分の行程表通りに旅行を続けていった。

あるとき、ランチまでは時間があったけど
ちょっと小腹がすいてきたタイミングで、
美味しそうなハンバーガースタンドを見つけた。

ジャイアンが「ここでちょっと食べようぜ」と言ったけど、
女王様は「ダメよ、勝手に決めないで、ランチが食べられなくなる」と。

でも、私もそのハンバーガースタンドが気になったから、
「ランチまで時間あるから、食べてもいいじゃん。」と言ってみた。
そしてら、みるみる機嫌が悪くなり黙り込んでしまった。

仕方がないからそのお店はスルーして行程表通りに予定をこなし、
女王様が決めていたレストランに行った。

言っちゃ悪いけど、とてつもなくマズかった…。
多分、女王様含めてみんなそう思ってたけど
そんなこと言ったら面倒くさいからみんな黙ってもくもくと食べた。

そしたら急に女王様が泣き出した。
「私がみんなのために旅行の手配も全部やってやったのに、
何でそんな態度なのよ。いつも私ばかり我慢して、
私が我慢してるから、会社をやれてるのに」と始まった。
またしても、悲劇のヒロインさんご登場。

普段なら女王様の味方につくはずのジャイアンも、この旅行中は機嫌が悪い。
(なぜなら、クリスマスをSちゃんと過ごせないからだ。)

結果、ジャイアンと女王様の大げんかが始まる。
そうなると、私と地蔵男子くんは ”無” になるしかなかった。
ただこの二人がすごいのは、大げんかの後、
何もなかったように数時間後には仲直りしていること。

最初は驚いていた私と地蔵男子くんも、慣れっこになっていった。


つづく


【今日のわんこ】

f:id:mugitoorange:20181025141300j:plain