運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

設立当時に、やっていたこと。3

たくさんの人に会う。

年賀状で多くの方々へ会社設立のご案内を出していたので、
当然のように「お祝いに飲みましょう」というお誘いがたくさんあった。


今までなら「ぜひぜひ」と言いながら日程を決めず、
そのままなし崩しになっていることも多かったけど、
この時の私は、とにかくたくさんの人に会おう!と決めていたので、
お誘いは基本的に断わらないようにしていた。


まずは、とっても嬉しかったこと


会社をスタートした初日、一番に電話がかかってきたのが、
H部長(外資系ブランド)のプロジェクトを一緒にやっていたS社のHくん。


「麦とオレンジさん、新年から驚かさないでくださいよ。
ちょっと僕も話したいことがあるので、飲みましょうよ」ということで
早速、飲みにいった。

H部長のプロジェクトについて、私も辞める直前は、ほぼ関知しなかったけど、
ジャイアンとH部長がズルイことをやってるのは知ってた。


その悪巧みがどんどんエスカレートしていったようで、
H部長はすべての仕事をジャイアンの会社に流し、S社との取引を打ち切ったそうだ。


でもHくんは清々しい顔で
「もう、あんな人間的に軽蔑している人との仕事は限界だったし、
麦とオレンジさんみたいにビールはかけなかったけど、
胸ぐらはつかんじゃったし。
正直向こうから切ってもらって良かったと思ってます。」と言っていた。


そんな話しをつまみに、仕事のことも含め色んな話しをし、
二人とも泥酔した気がする。


「麦とオレンジさんとは、男同士(?)の付き合いができそうです。
これから独立して大変だと思うけど、S社は全面的にバックアップします。
とりあえず麦とオレンジさん担当に、弊社のエースG太をつけますので、
何でも言って下さい。」と言ってくれた。


すごく嬉しかったし、自分の会社だからこそ、
こういう付き合いができるのだと思った。


この後、ある事件があり、HくんとG太さんが私の会社(自宅)に
来ることになるのだけど、それはまた別の機会に書く予定。


そして時には、こちらからお誘いをすることもあった。
例えば、同期で代理店部のSちゃん


私が事業をスタートするタイミングで
女性社長さんのT企画へ出向し、弊社の担当になっていたため、
原稿の相談等でちょくちょく会っていた。


T企画近くのルノアールでお茶をするのが定番で、
ここぞとばかりに色んな話しを聞いてもらい、
困ってることなどを相談していた。

私はIT系があまり得意でないけど、
実はクライアントにはIT系が多く、お仕事にもなっていた。


ある時、大型案件になりそうな話しがあった。
取材に行かなければいけないけど、ヒアリングが心配と話したら、
「俺、すっげーIT得意だぜ、同行してやるよ!」となり、
同行&取材をしてもらい、受注までしてもらったこともある。


そんなこんなでずっとお世話になり、
ルノアールのお茶代もいつも払ってくれていた。

第1期末、黒字化して交際費が使えるし、
Sちゃんにごちそうしよう!と思い電話してみた。

「今日ごちそうするから、飲みに行かない?」と誘ったら
「えっ、今日なの?」と言うので、
「今日しかダメ」と軽く返したところ、
「夜は入ってるから、昼でもいい?」ということで、
高級しゃぶしゃぶの個室でランチをした。


やってきたSちゃんが、何となく元気がない。


お茶で乾杯して、美味しくしゃぶしゃぶを食べていると
「麦とオレンジ、俺、今自由になる現金は50〜60万。
それ以上だと、株か不動産を解約しないといけないから、ちょっと時間かかる」
と言い始めた。


私は言ってる意味がわからなくて、ポカーンとしていたら
「月末で支払い厳しいんだろ?いくらいるんだ??
現金、かき集めれば何とか100万くらいにはなるかもしれない。」
と言われて、Sちゃんが大いなる勘違いをしてることに気づいた。


普段、飲みになんて誘わない私が、
月末に突然電話してきて「今日、飲みに行こう」なんて言うから
資金繰りのお願いに来たと思ったようだ。


「黒字が出たから、ごちそうしようって思っただけだよ!」って言ったら、
「おまえ、びっくりさせるなよ。独立した仲間とかで月末に誘いがあると、
資金繰りのことが多いからそうかなって。。。」


この人、本当にいい人だと思った。
今までも独立した仲間が資金繰りで厳しくなったら、
お金を貸してたようだし、返ってこなくてもいいと思ってるようだった。


私のことも同じように心配してくれて、何とかしてくれようとしていた。
すごくありがたくて、嬉しくて涙が出そうだったけど
「バッカじゃない、そんなわけないじゃん。早く食べなよ!」と毒づいた。
Sちゃんも「金の工面するんで時間がいると思ってランチにしたのに。
だったら夜に、もっと高い店でおごってもらえば良かったよ。」と大笑いしてた。


HくんやSちゃんのように、
男同士的に対等に付き合ってくれる人とは、
一緒に飲みに行っても本当に楽しいし、勉強にもなって
長い付き合いをしていけるのだけど。


時には、何となく気が進まない誘い方をしてくる人もいた…。

 

【今日のわんこ】

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