運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 53(退職までの日々7)

*前回からのつづき

私もいなくなるし、仕事も忙しくなってきたので、
アルバイトを採用することになった。
女王様が職安に求人を出してきたようで、早速に応募があった。

帰国子女で、デザインを専攻していた方。
英語も制作もできるなら、いいんじゃん!ってことになり、早速面接をしたようだ。


女王様が「夜もアルバイトしてるから夕方までしかできないって言ってるけど、
水商売かな?どうする?」とジャイアンに言ってた。


アルバイトに夜中まで仕事させるわけでもないし、
夕方までできれば十分なのにと思ったけど、もちろん言わなかった。


女王様はグダグダ言ってたけど、他に応募もなかったから
とりあえず採用することになった。


ちょっと色が黒くて、目力が強く、少し派手な外見の子だった。
でも話してみると外見から受ける印象とは違って、
とっても気遣いができる優しい子だった。


夜のアルバイトのことも聞いてみたら
「食べることが大好きなので、飲食店でキッチンの仕事してます!」
アメリカから帰ってデザインの仕事を探してたけど、
生活費を稼ぐのにキッチンでアルバイトしてたようだ。


アルバイトのCちゃんと私は
食べ物の好みもすっごく似ていて、すぐに仲良くなった。
外面のいいジャイアンと女王様は、Cちゃんがいる時は周囲にいい顔をするので、
Cちゃんがいると社内の雰囲気も良くなった。


でも、そこはジャイアンと女王様。
Cちゃんが来ることに慣れてくると、当たり前のように機嫌が悪くなったり、
言い合いを始めるようになった。

ジャイアンと女王様は仲は良かったが、よく言い合いもしていた
(それも、かなり激しく)。


私と地蔵男子くんにとっては普通のことなので、淡々としていたけど、
Cちゃんは本当に驚いたようだ。


ある時、私&ジャイアン弟のKくん&Cちゃんとご飯を食べに行った時、
Cちゃんから「ジャイアンさんと女王様の言い合いが始まるとすごく怖くて、、、
会社なのに、他の人もいるのに…。
なんであんな風に言い合いできるのでしょうか?私は良くないと思います」
と言われた。


するとKくんが「あの人たち子供だから。自分さえ良ければいいから、
感情のままに生きてるし。誰が言っても治らないから無視してればいいよ」
って答えてたけど、会社の中で声を荒げることは、
よくよく考えたら(考えなくても)いいことではない。


自分に向けての言い争いではないにしても、嫌な気分になるのが普通。
でも、「ああ、また始まった」と日常になって、私たちは何も感じなくなっていた。


そのせいで、Cちゃんに嫌な思いをさせていると思うと申し訳なかった。
それを察したのか、Cちゃんが
「わかりました。言い合い始めたら、うるさい音楽だと思うようにします。
どうせ、2人はあまり会社にいないから大丈夫です」と言ってくれた。


アルバイトの子にまで気を遣わせてるのに、全くそれに気づかない、、、。
絶対、そんな風にはなりたくないと思ったけど、
それを何とも思わなくなってた自分にも驚いたし、ちゃんと感情を取り戻そうと思った。

Cちゃんのおかげで大事なことに気づかせてもらい、感謝感謝です。


20年経って、Cちゃんは4人の子のママになったけど、
今でも私のことを「東京のおねーちゃん」と言ってくれている、大事な妹だ。


つづく


【今日のわんこ】

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