運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 48(退職までの日々2)

*前回からのつづき


週明け、女王様とオフィスで二人だけになるタイミングがあって
話しをすることになった。

「7年も一緒にやってきたのに、何でなの?
次のプロジェクトも決まって、仕事もうまくいってるし、何が不満なの?
最近、私とあまり話してくれないと思ってたけど、私が我慢してたのよ。
ジャイアンのことでしょ?
私は冷静に相談に乗れたのに、何で言ってくれないの?」と、
涙ながらに話しをされた。


つくづく、女王様って人の気持ちがわからないんだな~と。


もちろんジャイアンもだけど、
女王様が社長である会社にいたくない気持ちが一番強かった。
だけど、辞めることを目標に定めているので、
そんなことを言うわけにもいかず、とにかく私のわがままです。といい通した。


ずっと何も言わなかった地蔵男子くんに「飲みに行かない?」と誘われた。
地蔵男子くんにはちゃんと話しをしておこうと思っていたので、
飲みに行くことにした。


女王様とジャイアンはあまりお酒は飲まないので、
お酒好きの私と地蔵男子くんは時々二人で飲みに行っていた。


飲みに行くと、地蔵男子くんが私の愚痴を聞いてくれていた。
もちろん聞いてもらえるだけでありがたかったけど、
聞いてもらっても何が変わるわけでもなかった。


その日も、近所の居酒屋さんで話しをすることになった。
「ずっと麦とオレンジの話しは聞いてたし、
最近、何となく様子がおかしいなとも思ってたけど、やっぱり、もう無理なのかな?」


私の答えは決まってたし、地蔵男子くんもわかっていた。
「そうだよね。愚痴は聞いてあげられるけど、
俺は何も言えなかったし、本当にごめん。」と言われた。


この7年間で、地蔵男子くんには本当に助けてもらったし感謝していた。
だけどもう引き返せなかったし、そんな話しをしたら、
「麦とオレンジは強いよな。俺もいいと思ってるわけじゃないけど、
抜け出す勇気はないな。情けないんだけど」と言われた。


ジャイアンとは幼馴染で、地元の友人たちも全て共通で、
ジャイアンはその地元の友人たちの親分みたいなものだから、
地蔵男子くんがジャイアンに何も言えないのは仕方ないと思った。


「私こそ色々と助けてくれたのに、ごめんなさい。
私がいなくなると、地蔵男子くんの負担も増えそうだけど、、、本当にごめん」
と、言うしかなかった。


地蔵男子くんは納得してくれたけど
ジャイアンは全然認めてないし、プロジェクトの事を考えたら、
納得するとは思えないから、かなり大変だと思うよ」
と言われたし、確かにそうだなと思った。


女王様、地蔵男子くんとは個別で話しをしたので、
ジャイアンにも話しをしようと思った。


私は、もちろんプロジェクトもそれまで通りにやっていて
出張が多かったので、前もってジャイアンに予定を伝えて
時間を取ってもらうようにしたのだけど…。
なんだかんだと理由をつけては、話す時間をくれなかった。


どうやら女王様とグルになっていたようで、
このままなし崩し的に時間がたてば、私はそのまま会社に残ると思ってたようだ。
1ケ月たっても現状は変わらず
忙しいことを理由に全く話し合いをしてくれる気配はなかった。
どうしたもんかと思い、母に電話をしてみた。

「F先生が、会社を作るなら9月13日が一番いい日だって言ってる。
話し合いを待ってたら間に合わなくなるから、
まずは会社を作ってしまいなさい。強行突破で話し合いに持って行くしかないよ。」
とぶち込んできた。

「ママが東京に行って登記に必要な手続きとか手伝ってあげるから、やりなさい!」と。
母の実家が司法書士で、伯父が後を継いで母も手伝っていたので、
登記のことなどに母は詳しかった。

イケイケな母は、早速東京にやってきて
私が会社に行っている間に、登記に必要な手続きを進めてくれた。
こうなったら、私も前に進むしかなかった。



つづく



【今日のわんこ】

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