運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 43(後輩のY)

*前回からのつづき


自分の心の中では、9月13日に向けて進んでいたけど、
もちろん対外的には4人で頑張っている会社だった。


前職の後輩達が来ると、みんなで食事やカラオケに行ったりしてたから、
本当に4人で仲良くやっていると思われていた。

あるとき後輩のYが、保険会社に転職したと挨拶にやってきた。


*


Yは、前職時代に私のチームのメンバーだった。

入社当初はムードメーカーで面白い子だったので、
社内の色んなイベントで目立っている存在で元気印だったのに、
私のチームに来る前はずっと営業成績が悪く…

どん底を下から見ていました」って名言(迷言)が出るくらい、
会社でもあまり目立たない存在になっていた。


そんな時、人事異動で私のチームに来ることになった。

私は「営業成績が悪い=仕事をしてない」と思っていたから、
Yは、ちゃんとやってないんだろうと思っていた。


新チームは、Y&さらにその後輩2名の4人体制。
メンバーの営業状況を知るために個別のミーティングを始めた。
まずはYとのミーティング。


「サボッってちゃんと仕事してないから、営業数字が上がらないんだ」
と思っていたけど、実際のYは、本当にクライアントのことを考え、
真面目に営業していた。


私の助言も素直に聞いてすぐに実行し、ちゃんと報告してくる。
逆になんで売れないのか不思議だった。


その頃、バブルが弾けた直後で、会社は目先の数字ばかりを評価していた。
Yは仕事ができないダメ人間のような扱いをされていたし、
前のチームでは、売れないことだけ詰められていて、
精神的に追い詰められていたんだと思った。


私も表面的な部分しか見ていなくて、Yのことを誤解していたことを反省した。


目先の数字が上がっていないだけで
Yはいつか絶対に結果が出ると思ったし、そんなYを何とかサポートしたいと思った。


上司から「Yはダメだから辞めてもらってもいい」みたいなことも言われたけど、
「おまえらは見る目がないんだよ!」とムカついて無視してたし、
いつか絶対にYは売れると信じていた。


そしてYも、そんな私の気持ちに応えてくれて
売れなくても腐らず一生懸命に頑張ってくれた。


私のチームにいる間に結果は出なかったけど
(私はYがメンバーになってから、3ヶ月で前職を辞めてしまったので…。)
私が辞めた後、Yは本当に結果を出した。


大型受注を何本も決めた。
それまでは、さんざん売れないと文句を言ってた上司たちは手のひら返しで
Yを褒めちぎったようだ。


そんな手のひら返しに嫌気がさしたYは、
会社を辞めて新しい保険の世界へ入ったとのことだった。


保険の売り込みに来たわけではないけど、
「まだ慣れてないんで商品説明だけさせてもらってもいいですか?」と。


慣れないながらも一生懸命な説明だったし、
Yを応援したい気持ちもあったから、もちろん私は保険に入った。


私のことをメンターとして慕ってくれているYは
「本当にありがとうございます。保険で色んな会社の方に知り合うと思うので、
麦とオレンジさんの仕事になりそうな時は絶対に紹介します。」と言ってくれた。


*

そして、それから20年以上たった今でも、
仕事を紹介してくれたり、私の会社やメンバーのことを気にかけてくれている。


つづく


【今日のわんこ】

f:id:mugitoorange:20181120144718j:plain