運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 36(伝説のビールかけ事件)

*前回からのつづき

 

2次会の最初、いかにSさんが能力が高くて素晴らしいか。
という事をH部長は言っていて、私たちもおとなしく聞いていた。

ところが、途中から雲行くが怪しくなってきた。

「Oさん、あなたは元大手外資ブランドで仕事してたっていうけど、
うちのブランドに比べたらカスみたいなブランドですよ。
そこで経験した仕事がうちで通用するんですかね。まあ、お手並み拝見ですね」
と失礼なことをぐちぐち言い出した。


Oさんも「色々と経験をしてきたつもりなのでお役に立てればと思ってますが、
何かやり方にご希望があれば、おっしゃって下さい」
と大人の対応をしてくれた。

この時点で、私の怒りは沸騰寸前だったけど、
ジャイアンのお客様だし何とか我慢していた。


が、調子に乗ったH部長、
「はぁ、何がご希望言ってくれだよ、
Sさんならそんなこと言わなくても通じるんだよ。仕事の考え方が甘いんだよ。」
と言ってきた時に私の怒りは沸点に達してしまった。

「さっきから聞いてたら、何なんですか。
あなたの会社のプロジェクトのためにOさんが適任だと思ってお願いして、
あなたもOKしたじゃないですか。
仕事ぶりも見てないうちに、なぜこんな言い方されなければいけないんですか?
Oさんに謝ってください」と言った。

H部長もヒートアップしていて
「なんだと!俺はクライアントだぞ、
仕掛かり金も払ってるのにその言いかたは何だ。仕事を切るぞ、金返せ」
とわめいてきた。


2次会のお店は青山のおしゃれなバー、、、。
周りのお客様にも迷惑だし、わめき続けるH部長に
口ではかなわないと思った私は、自分のビールをH部長にぶっかけて


「どうぞ仕事きってくださいよ。
とにかく、他のお客様に迷惑だから、表に出ましょうよ」と言ってしまった。
(そう…。知る人ぞ知る、
私の武勇伝となってる伝説のビールかけ事件の瞬間だった。)


言い終わってふと見ると、
Oさんは「私がいけないんです。すみません。私はこの仕事降りますから」
と泣いているし、部下のMさんも泣きながら
「すみません。H部長、酔っ払っているだけなので、
本心ではないと思います。私が連れて帰ります。本当にすみません。」
と謝ってるし、H部長はまだわめきちらしてるしで、、、大変なことになっていた。

冷静になった私は、Mさんにお願いしてH部長を連れて帰ってもらい、
お店の人に謝って会計をしてOさんと一緒に店を出た。


Oさんは「本当に、私のせいでごめんなさい。
私は仕事を降りるので、H部長に謝って仕事して下さい」と言ってくれたが、
Oさんがいなければ、このプロジェクトがうまくいくとは思えないし、
それはH部長もわかっていたはずだった。


しかし、お客様にビールをかけたのは良くなかったし、
ジャイアンのお客様なので、ジャイアンに電話して、
”H部長と口論になりビールをかけた” ことを伝えた。


もちろん「何てことしたんだよ」って言われたけど、
酒乱のH部長を押し付けて送る必要のないSさんと帰った
あんたにも責任あるじゃんと思ってた。


「俺もフォローするけど、明日ちゃんと謝罪しろよ」と言われた。
そう、翌日は私とH部長の二人で、このプロジェクトのスタッフ採用面接だった。



つづく



【今日のわんこ】

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