運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 34(さようなら、赤錆防止装置)

 

*前回からのつづき


年始は毎年、私の地元にて設備会社の担当者Yさんと一緒に
赤錆防止装置を設置したお客様のフォローや、新規の営業をしていた。

この手の商品は日進月歩でどんどん新商品が出てくるし、
値段交渉もえぐいのだけど、Yさんが
「一度、そういうスパイラルに入るとつまらない商売になるから、
無理な値引きをせずに、商売したほうがいい」と、
筋の良いお客様を紹介してくれていたので順調だった。

数ヶ月ごとに地元にも帰れて、ちゃんと利益も出る、
とてもいいお仕事だったが、、、またまた事件が起こってしまった。

私たちが装置の仕入れをしていたメーカー側のお家騒動で、
うちの会社が懇意にしていた専務が解任されてしまったのだ。

もともとは、前職のつながりでご縁があったリフォーム会社の社長が、
こちらのメーカーの専務を紹介してくれていたため、
私たちは大変ありがたいことに、 "仕入れをせずマージンをもらう"という
かなりいい条件で赤錆防止装置を販売していた。

また、私の地方への営業同行経費(=出張交通費や宿泊費など)も
メーカー持ちだったからこそ、遠方でもきちんと同行いただいた上で
営業できていたのだが、専務の解任により条件の見直しがあった。

新しい条件は、私たちが商品を仕入れなければいけないということだった。
もちろん高額な商品だし、手形での支払いも当たり前の業界なので、
そんな条件に対応できるわけもなかった。

専務がいなくなり、いきなり条件を変えてくる会社と
うまく付き合っていけるとも思えず…。
既存のお客様の保証だけはメーカーで責任を持ってもらうことにして、
私たちは赤錆防止装置から手を引く事にした。

もちろん地元の設備会社Yさんにも、状況を説明しに地元に戻った。
Yさんの会社なら仕入れる資金もある。
メーカーと直契約もできるので、そのお願いをしに行ったのだけど、
Yさんはすごく憤慨してくれて、メーカーに掛け合ってくれた。

ただ、メーカーは特例を作るわけにはいかないとのことだった。
結果的には、
「いくら良い商材でも、こんな不義理をするような会社とは付き合えない」
ということになり、Yさんの会社も契約をしなかった。

本当に、Yさんにはすごく良くしてもらって
おかげできちんと商売にもなったのに申し訳なかった。

ただ、知識のない業界で契約書もきちんと交わさず、
勢いで仕事をしてきた私たちに責任がないとは言えない。

カビの生えない塗料に続き、
赤錆防止装置にもさよならをし、広告の仕事に専念することになった。

そして、その頃にジャイアンの大型受注が決まった。


つづく


【今日のわんこ】

f:id:mugitoorange:20181107205426j:plain