運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 31(入院生活)

*前回からのつづき

入院して3日くらいは、
寝てても痛くて周りの状況もわかっていなかった。

少し痛みが落ち着いてきて病室内を見ると、
ここは6人部屋で、私以外はみんなおばーちゃん。

お隣のベッドは、上品なおばーちゃん。明治生まれの90歳。
「痛いのは治ったの?ずっと夜、痛い痛いって言ってたから
かわいそうにって思ってたの」と声をかけてくれた。

私は無意識で夜中に痛い痛いと言っていたようで、
「ごめんなさい、うるさかったでしょう」と謝ったら、
「痛いから病院に来てるんだからいいのよ。少し楽になってよかったわね」
と言ってくれた。それから、毎日おばーちゃんとお話しするようになった。

すっごく聡明でかわいいおばーちゃんで、
女学校時代や戦争の時の話しをしてくれた。
私にはすごく新鮮で、お話しするのが楽しみだった。

そして、いつもおばーちゃんは
「こんな年寄りの話しを聞いてくれてありがとう」って笑顔で言ってくれた。
気がつくと私もいつも笑顔になっていて、穏やかな気持ちでいられたし、
こんな優しい気持ちになれたのは久々だった。

入院したことは、基本的には誰にも言ってなかった。
ただ、ちょうど私の誕生日の頃で、
大阪に住んでる親友のR子がプレゼントを送ってくれていたものの、
入院のバタバタで私はその荷物を受け取れていなかった。

心配になったR子が私の家に電話をしたら、
伯母が出てくれたようで、入院がバレてしまった。

そしたら、すぐ病院に
「絶対に無理したらあかん。ちゃんと治すまで監禁されとき!
神様が休めって言ってるんだからゆっくり休みなさい」と書かれたお手紙と、
食べやすそうなお菓子、入院生活に必要そうな雑貨が送られてきた。
雑貨の1つ1つに付箋でメモがついていて、とっても優しい気持ちになれた。

いつもいつも私の体を心配してくれて、
そして絶対的に私の味方をしてくれるR子。

ちょっと前に大阪へ遊びに行った時、
R子おすすめの美味しいお店に連れていってもらい、
お料理がなかなか来ないことにイライラした私。

それを見たR子に
「麦とオレンジちゃん、最近、昔と違ってすぐにイライラする気がする。
心が錆びてるよ。」と言われた。

自分では気づいてなかったけど、この頃には
体もだけど心もかなり疲れていたんだと思う。

R子は優しいけど、私の悪いところはちゃんと言ってくれる。
でも、錆びてる私をすごく心配もしてくれていたようだ。

入院して時間もできたことで、R子に言われたことも含め色々なことを考えた。
今まで頑張って仕事をすれば何とかなると思ってたのに、
体が悲鳴をあげてしまい、結局入院してしまった。
私は何のために頑張ってきたんだろう?本当は何がしたいんだろう?と。

入院して10日くらい経った頃、MRIの結果が出た。
もちろんヘルニアだったけど、
こんな激痛を起こすようなレベルではないようだった。

先生から「ストレスも腰痛を引き起こす要素になってるので、
なるべくストレスをためないように」と言われた。
今の状況でストレスを溜めないなんて、ありえないな〜と
ぼんやり思った時に、初めて「辞める」という選択肢が出てきた。


つづく


【今日のわんこ】

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