運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 19(オフィス移転の本当の理由)

*前回からのつづき

オフィスの移転について。

ジャイアンの家(兼オフィス)は東京とはいえ、
都心からかなり離れていて不便だった。
だけどジャイアンのマンションローンの事もあったので、
移転はもう少し先にするはずだった。

しかし、ある事件が起こりオフィス移転を急遽決定した。

ジャイアンは、浮気相手(Sちゃん)とまだ続いていた。
女王様とは別れているからジャイアン側は問題ないものの、
Sちゃんはまだ離婚していなくて、実家に戻されたままだった。

それを我慢できなかったジャイアンは、
Sちゃんを自分の伯母さんの家に連れてきてかくまっていたようだ。

もちろんSちゃんの実家は大騒ぎとなり。
ジャイアンのところに娘がいると確信したSちゃんのお父さんが、
ジャイアンの自宅(もちろん会社)を調べて、怒鳴り込んできたのだ。

その時ジャイアンは不在で、会社にいたのは女王様と地蔵男子くん。
ジャイアンの顔を知らないお父さんは、地蔵男子くんの胸ぐらを掴んで
「娘をどこにやった」と詰め寄った。

「僕はジャイアンではありませんし、ここに娘さんはいません。
僕たちも娘さんがどこにいるかは知りません」と説明し、
なんとかお父さんも納得したようだった。

東北で農家をやっている純朴な方で、
「娘があんな大それたことをするなんて、婿に申し訳なくて情けない。
もし居場所がわかったら教えて下さい。」と言って帰っていった。

当然、女王様が怒り狂うと思っていたが、
この頃には、自分の意見を絶対に否定しないジャイアンが必要になっていて、
ジャイアンに辞めろとは言わなかった。

「プライベートの揉め事に巻き込まないで。
私が冷静な大人だからいいけど、普通ならありえない。
そんなの見たくないからオフィスは移転します」

確かに、もっともなご意見だった。

でも女王様の本音は、
ジャイアンは必要だけど、すんなり許したくはない。」
オフィスを移転してジャイアンに家賃を支払わないことで、
経済的制裁をしたかったのだ。

本当はもう少しそのままでいたかったジャイアン
さすがに反対できなかった。
早々に物件めぐりをし、港区の一等地に
狭いながらもオフィスを借りることができた。

物件は全て女王様主導で決まった。
「みんなはどうしたいの?」と聞くものの、結局は
「私は不動産に詳しいから、私が一番いい物件を探してくる」となり、
移転できればどこでもいいと思っていた私たちは、
女王様の見つけてきた物件で了解した。

オフィスの家具も備品も一応意見は聞くものの、全て女王様が決めてきた。

「私が我慢したおかげで今の会社があるんだから、
私が決めてもいいでしょ」感満載だったけど、そんなにこだわりもないし、
女王様のご機嫌が良いならいっかという感じだった。


その後も細かいことは色々あったけど、
やっとジャイアンの自宅から離れられて、正直私も嬉しかった。

これで、今度こそきっとうまくいくと思っていた。



つづく


【今日のわんこ】

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