起死回生のビジネスの立ち上げ期 4
Wさん 2
最初は本当に素敵な方だった。
私が独立した時も
「おめでとう、麦とオレンジさんなら、絶対にうまくいくよ」と喜んでくれたし、
「ジャイアンくん達がやってる仕事を、麦とオレンジさんに出すと、
あいつらが何を言ってくるかわからない。
新規で仕事が出てきたら真っ先にお願いするよ」と言ってくれた。
そして実際、その通りにしてくれた。
Wさんが新規事業部へ異動になり、国際展示会の運営責任者になった時、
うちは何の実績もなかったにも関わらず、
ある企業のブース設営の仕事を依頼してくれた。
それをきっかけに、イベント関連の仕事もやることになったし、
今でもそれは続いている。
本当にWさんのおかげで色んな仕事をさせてもらったし、
様々なお客様を紹介してもらった。
紹介してくれる時も、最初の顔つなぎだけで
「あとは、直接やりとりして、私のことは気にしなくていいから。
お客さんが、“麦とオレンジさんを紹介してもらって良かった”
と言ってくれるのが僕にとっても嬉しいことだから、
いい仕事をしてくれればいいよ。」と言ってくれていた。
だからWさんが、ちょっとづつ変わっていってたことを感じながらも、
どこかで「そんなはずはない」と打ち消していた。
Sがうちの会社に戻ってきて少したった頃、
Sの携帯にWさんから連絡があり「久々だから、食事でもごちそうしよう」
と言われたそうだ。
「どうしたらいいですか?」とSから相談されて
少し違和感を覚えたものの…。Sが退職する時も心配してくれて、
食事に連れて行ってくれたことがあったし、今回もそういう事だと思った。
でも何となく気になったので、Wさんに「今日はSをよろしくお願いします。」
とメールし、私も知っていることをアピールしておいた。
しかし、違和感はあたってしまった。
【今日のわんこ】