運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

何もかもが悪循環の暗黒期(東日本大震災2)

Sとビールを飲んでるうちに、
Sの沿線は運行が再開されたようだったので、私も家に帰ることにした。

 

当時はマンションの9階に住んでいた。
もちろんエレベーターが止まってたので、階段で息を切らせながら、
何とか部屋にたどりついた。

 

ぐちゃぐちゃになってるかも?と心配してたけど、
特に被害もなく良かったと思ってたら、食器棚の中で
社員たちから誕生日にもらったバカラのワイングラスだけが
倒れて割れていた。。。(涙)


まあ、これだけで済んだんだから、良かったんだと思う。

家に着いて少しホッとしてTVを見てると、東北は大変なことになっている。

時おり緊急地震警報がなると、わんこが怖がって震えていた。


私がいない時に地震があり、
Cが抱っこして外に連れて行ってくれる時には、おもらしをしてしまったようで、、、


わんこにとっても、本当に怖い経験だったのだと思う。
でも、やはりあまり現実感がなかった。

有楽町から3時間かけて会社に戻ったり、
マンションに着いて9階まで階段使ったりで疲れ切ってたから、
思考回路も回ってなかったのかもしれないけど。
考えることを逃避していたのかもしれない。


3月11日は金曜日だったので、そのまま週末になった。
土曜日に、SとCにメールして
「月曜日は、電車の状況もあると思うので、自由出社で」と伝えた。


Cは「一人で家にいても仕方ないので、とりあえず出社します」と返信がきた。
いつもレスの早いSから返信がこないので、どうしたのかな?
と思ってたら電話があった。


「震災が落ちつくまで、神戸に行くことにしました。」と。
頭の中が???となったけど、よくよく聞いてみると、
当時付き合っていた彼の実家が神戸にあり、彼が神戸に帰ることになったので、
Sのことを心配して連れて行くことになったようだ。


「震災が落ち着くまでって、いつになるかわからないし、ご両親はどうするの?」
ちょっと、Sらしくない行動だと思ったし
(まあ、大事な娘を取られたようなヤキモチだけど!)
少し語気を強めて言ってしまった。


Sもすごく悩んでたようで、少し考えますといってたけど、
翌日「やはり神戸に行くことにします。ご迷惑おかけしてすみません。
パソコンも持っていくので、仕事は通常通りにやります」と電話があった。


責任感の強いSが決めたことだから、淋しい気持ちはあったけど承知した。


月曜日、会社にいると少し遅れてCもやってきた。
電車はまだ通常運行ではないので、かなり混雑していたようだ。


「休んでもよかったのに」と言うと
「一人で家にいたほうが、変になるから会社のほうがいいです」と言ってくれた。


私も同じ気持ちだったし嬉しかった。
Sが神戸に行ったことを話すと、「淋しいですね」と言った。


Cが入社してから業績は低迷していたけど、
3人で試行錯誤しながらやってきてお互いの信頼関係は築いていたと思う。


こういう時だからこそ、3人が一緒にいたい存在になってたんだと、
いつもドライなCから出た言葉にジーンときた。


【今日のわんこ】

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