運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

社員と一緒の激動期 20

人が増えて大変だったこと


Fの退職後、1年くらいは平穏(?)な日々だった。
Sは、後輩のGの面倒を見ながら自分の営業もきちんとこなしていた。


超心配性な性格なので、
原稿入稿の際の確認作業も半端ではない。


ほぼチェックミスはなく、
Sがいれば安心して仕事を任せられるようになっていた。

そこで私の一番のクライアントである、
大手外資ブランドもSに引きつぐことにした。


担当者はT部長。


T部長は、私が「初めて新卒採用する」という話しをした時に
「入社したら連れてきなさい」と言ってくれて、
一番最初にSとNを連れて行ったのがT部長のところだった。


*


大手外資ブランドだけあり、
エントランスには美人な受付の方がいて、豪華な花束が飾ってある。

二人とも明らかに緊張しているようだった。


T部長のオフィスに通され、
いざ名刺交換で二人は緊張マックス!!!


名刺交換し、T部長から入社祝いの
豪華なギフトを渡されると手が震えていた。

「麦とオレンジちゃん、フレッシュなかわいい子たちじゃないの〜。
二人ともよろしくね〜。」と。

T部長はオネエ口調で話す方で(女性がたくさんいる職場なので
あえてそうしているという噂と、本物って噂があったけど!!!)
二人はかなり驚いたみたいだった!(笑)


SとNが自己紹介をした時に、
Sが私のことを「麦とオレンジさん」と言ってしまった。

T部長が「Sちゃん、自分の上司のことをさん付けしたら、
上司の教育が悪いって思われるのよ。今後は気をつけないね!」
と注意してくれた。


そして「言葉遣いも大事だけど、
二人ともカバンの中はきれいにしてる?
僕は営業の人がカバンから資料を出す時なんかに、
カバンをチェックしてるの。


カバンの中が整理されてなかったり、漫画が出てきたりしたら、
その会社とは取引はしないです。
カバンを整理できないっていうことは、
頭がまとまってないってこと、クライアントへ提案にいくのに、
新聞や専門誌でなく漫画を持ってる。

そんな人にはいい提案はできないと思うし、
そう見られても仕方ないと思う。


だから、僕からのアドバイス
きちんとカバンも頭も整理して、
清潔で身だしなみを整えるのは営業として大事なこと。
頭に入れておいてね。」


うちの新人のために、
T部長があえて厳しいことを言ってくれて、
本当にうれしかったし、ありがたかった。


二人も素直なので、その後、
営業カバンの中はきちんと整理していたし、
今でもSは「新人の時にT部長に言っていただいたこと、
すごく印象深いし、今もカバンの中はすごく気をつけてます」
と言っている。

*

新人の頃からSを知っているT部長なので、
私が引き継ぎをする時はすごく喜んでくれて
「Sちゃんも成長したわね!」と言ってくれた。


Sもすごく丁寧に仕事をしてくれて、
私なんかよりも細かい部分までやってくれていたと思う。


そんな順風満帆だと思い安心しきっていた頃に、
Sの中で色んな感情が出始めていた。


でもその時の私は、Sに絶対的な信頼感を持っていて
(それは、こちらの勝手な感情なのに)
Sの気持ちに寄り添っていなかった。
その小さな蓄積と当時の環境もあり、Sは退職を決意するのだ。


【今日のわんこ】

f:id:mugitoorange:20190422142724j:plain