7年間の共同経営 24(ジャイアンの弟)
*前回からのつづき
そんな時、ジャイアンの弟 Kくんが会社を辞めたようで
うちの仕事を手伝ってくれることになった。
Kくんは、もともとエンジニア。
会社のパソコン周りに弱い私たちには最適な人材だった。
その上、ジャイアンとは正反対の性格。
すごく穏やかで賢こくて分別のある人だった。
ジャイアンにも女王様にも
正しいと思ったことをストレートに言ってくれるから、
私も地蔵男子くんもすごくありがたかった。
この頃は4人で息が詰まる感じになってたけど、
Kくんのおかで雰囲気も良くなった。
もともとジャイアンと地蔵男子くんは幼馴染だから、
地蔵男子くんはKくんのことを良く知っていて、2人はとても仲が良かった。
私もあっと言う間にKくんと仲良しになり、
よく3人で話しをするようになった。
そしてKくんは、ジャイアンが付き合ってる頃の女王様と面識もあった。
「実は女王様のこと大嫌いだったんで、
うちの家族はみんな、2人が別れて良かったって言ってるんだ。
まあ、兄貴とは一応血が繋がってるけど僕とは全く考え方が違うし、
大きなこと言うけど実は小心者で、有言不実行タイプだし。
女王様は、なんでも自分が1番って勘違いしてるタイプで僕は大嫌いだから、
あの二人に言われて意味わかんない時は無視してる」とのこと。
何だか、今までいろいろ我慢してたし、
私が悪いのかな?とか思う時もあったけど、
Kくんのおかげで、
“やっぱりジャイアンと女王様がおかしいんだ!”とスッキリした。
Kくんは週に2~3回、会社に来ていた。
本音は別として、賢い人だからジャイアン・女王様への対応も上手だった。
私と地蔵男子くんが言いづらいことをズバズバ言ってくれてたから、
Kくんがいる日は仕事がスムーズだった。
女王様はちょっと気に入らないようだったけど、
優秀で仕事はできるし、ジャイアンの弟ってこともあって
あまり強くは言わなかった。
そうこうしているうちに地蔵男子くんが入稿作業も覚えてくれて、
ジャイアンとの仕事の絡みも少なくなった。
水曜のミーティングにもKくんが参加するようになってから、
帰りはKくんが送ってくれるようになった。
ジャイアンと女王様との接点が少しづつ減ってきて、
Kくんは、私と地蔵男子くんにとって本当に救世主のようだった。
つづく
【今日のわんこ】