運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 9(アルバイト)

*前回からのつづき

コーキング剤の成分分析には、数ヶ月かかるということだった。


もちろん期待に胸を膨らませていたけれど、
現実はかなり厳しかった。

私と女王様が受注したとはいえ、
利益は4人の1ヶ月分の給料にも満たない…。
会社を設立して1年経つ頃には資本金も底をつきかけていたから、
給料を下げることになった。

女王様は実家住まい。
ジャイアンと地蔵男子君は会社に住んでいたけど、
私は一人暮らし。
給料だけでは家賃も払えなくなってしまう。

自分の貯金も、ほぼなくなってきていたから、
アルバイトを始めたいとみんなに伝えた。

なんとか生活ができるとはいえ、他の3人も経済状況は厳しい。
会社の就業時間外でやるという約束で、
4人ともアルバイトをすることになった。

ジャイアンと地蔵男子君は、週末に泊まり込みのアルバイト。
私は、家の近くにファミレスがOPENする情報をキャッチし面接へ。

店長は同年代で、とてもいい感じの人だった。
「仕事をしているので、深夜か週末のシフトで。
ホールではなく、キッチンの仕事をしたい」と伝える。

私の家の近くには、前職の会社の人たちも多い。
自信マンマンで会社を辞めたのに、アルバイトをしてるなんて知れるのは
絶対に嫌だった。だからキッチンが良かった。

面接時に、追って連絡をしますと言われたけど、
OPENの日になっても連絡が来なかった。
アルバイトの面接にも落ちるのか、、、と凹んでいた時に
「来週から来れますか?」と連絡が入る。

後日聞いたら、
アルバイトの面接にきっちりしたスーツでやってきた上に、
どうしてもキッチンがいいと言ってるし、
店長や社員の間では、あやしい人と思われて合否に時間がかかったらしい。
でもまあ、人も足りないし採用してみようとなったようだ。

そして結局、女王様も車で通えるからと、
同じ店でアルバイトをすることになった。


アルバイト初日。
キッチンは白いコックコートと帽子が制服。
着替えて、キッチンに入った。

新人はまず、皿洗いからのスタートで、
私の指導係は17歳の女子高生。

キッチン内では、人の後ろを通る時
必ず「後ろ通ります」と言わなければいけなかった。
もちろん、私も言っていたのだが、
指導係の女子高生から「声が小さいよ、ちゃんと言って!」と。

少しムカッとしたけど、こんなことで辞めるわけにもいかない。
このバイトがなくなると生活ができなくなって、
会社も続けられなくなるのだから。

小生意気な女子高生の支離滅裂な注意にも
「はい。はい。」と言いながら、何も言わせないために、
とにかく早く仕事を覚えようと思った。

この年でアルバイトするなんて思ってなかったけど、
考え方によってはいい経験だ。

しかし…プライドの高い女王様は
こんな扱いを受けるのが、どうしても許せなかったようで。

そもそも、実家暮らしで給料がなくても生活に困らない。
「私は本業に力を入れるから!」ともっともらしいことを言って、
早々に辞めてしまった。

つづく



【今日のわんこ】

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