運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 4 (悲劇のヒロイン誕生)

*前回からのつづき

女王様を何とか説得し、
話し合いに来てもらうことになった。

女王様が会社(ジャイアン自宅)で話すのは嫌だというので、
池袋のルノアールで4人で集まることにする。

日曜日、昼下がりのルノアール
休日なのでサラリーマンの姿はなく。
競馬新聞を持った人、ソファーで寝落ちしてるおばちゃん、
大声で怪しい話をしている金ネックレスのおっちゃんなど、
不思議な空間だった。

でも、重い話しをするなら、
こういう場所のほうがいいんだろうな。

まーーーあ、気まずい雰囲気だったけど。
他愛のない話をして、アイスコーヒーが届いた頃に
ジャイアンが浮気の理由を話し始める。


「独立するにあたって、
マンションのローンもあって不安で精神的に弱ってた。
一瞬の気の迷いで浮気をしてしまった。
きれいさっぱり別れるので、一緒にやらせて欲しい。」
というようなことを言ってた。

その話をきいた女王様は、「どれだけ自分が傷ついたか」
「会社をつくる時になんて無責任なんだ」
というようなことを、延々と涙ながらに話す。

そのうち悦に入ったのか、悲劇のヒロイン度が増していく。
女王様がヒートアップすればするほど、冷めていく自分。
(わかりやすい展開の昼ドラを見ているようだ)

確かにジャイアンは悪いけど、
そうさせた原因ってのもあるんじゃないの?と思ってた。
絶対に言えないけど。

2時間くらいの話し合いで(ほとんどを女王様の話しで)
やっと少し落ち着いてきた時に、
「これから、どうする?」って話しになった。

私と地蔵男子が意見を聞かれる。大人な私たちは
「もちろんジャイアンが悪いし、女王様の気持ちはわかるけど、
私たち会社も辞めてるから後戻りできない。
3人でやるっていう選択肢もあるけど、ジャイアンも反省してるし。
できれば予定通り、4人でやっていきたいと思ってる」と伝えた。

悲劇のヒロインとなった女王様は
「そうね、私が言い出した話だし、
もともと私って責任感が強いから、みんなに迷惑はかけないよ。
私さえ我慢すればいいんだから、、、一緒にやってもいいよ。」と。

恩着せがましく言い放ち、
ジャイアンも何とか許しを得て、4人でやることになった。

うーーーん。
なんだか、私たちが無理やりお願いして、
女王様が “みんなのために自分を犠牲にして会社をやる”
みたいな構図になった。

「あんたらの痴話喧嘩に巻き込まれてるのはこっちじゃ!」
と心の中でつぶやきつつも、
とにかく会社が始まったら全てはうまくいくんだから、と言葉を飲み込んだ。

そして、予定通り翌週に登記を終え、無事に会社設立。
形式上だったかもしれないけど、4人でささやかにお祝いもした。

「さあ、頑張って仕事するぞ~!」っと思ったのも、つかの間。
ここから、ジャイアンが本領を発揮する。

浮気相手と別れる気は全くなく…。
さらにその相手は人妻だった……。


つづく


【今日のわんこ】

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