運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

7年間の共同経営 5(事件はつづく)

*前回からのつづき


ジャイアン浮気事件の話し合い後、しばらくは穏やかな日々が続いた。


会社(オフィス 兼 ジャイアン自宅)は下町にある。


オフィスとして適していないのは十分承知の上で、
ジャイアンが自宅マンションのローンの支払いをするために、
会社がジャイアンに家賃を払うことになっていた。
(これも今考えると、おかしな話だけど…。)

そして、ジャイアンの自宅でもあるオフィスに、
地蔵男子君も住み込むことになり、合宿所みたいな状況に。
変ではあるけど。こんなことだって、
売り上げが上がるまでの短期間の出来事として、良い思い出になるはずだった。


設立して1ヶ月くらいは、塗料の会社の研修や現場見学など、
4人で行動することが多く。
研修がおわって各々で営業を始める頃に、女王様の提案で
週に1度ミーティングをすることになった。
(まあ、提案ではなく強制だけど…)


ミーティングの日は、女王様と私も会社に泊まることになっていて、
夜中までダラダラと話しあった。

議題は、もちろん「塗料の売り方」について。
カビが生えやすい場所ときいて、思いつくのはお風呂。

「一般家庭にチマチマ売るのは大変だから、
マンションとかホテル・旅館がいいよね」となり、
まずは、マンションの管理組合などへ営業をかけることになった。

「食品関連の工場も、きっとカビに敏感だからあたってみよう」と。


それぞれがリストアップし営業を行い、
週1のミーティングで報告することにした。

会社の電話番もいるねってことで、
人は雇えないので4人で交代でやることにした。

私と女王様は会社から遠かったため、
電話番の日は1時間半かけて会社に通った。
朝の弱い女王様は、前日に会社に泊まるのが習慣となる。
これが、またさらなる事件の発端となるのだが…。


電話番の前日だけ泊まってた女王様は、
だんだんと会社に泊まることが多くなっていった。
ただ、そうなるとジャイアンは、常に監視されていることになる。

まだ浮気相手と関係の続いているジャイアンは、
家では連絡をできなくなっていく。

当時は携帯がない時代、そうなると
公衆電話から浮気相手に連絡するしかなかった。

会社には、前職でもらったテレホンカード(テレカ)が大量にあり、
備品としてストックしていた。
それはもちろん外出先での連絡用に、みんなで必要な分を使うため。
当時は携帯がない時代。

しかしある時、女王様が引き出しをあけると、
そこにあるはずのテレカが、ごっそりなくなっていることに気づいた。


「テレカがないんだけど、誰が持っていったの?」と聞く女王様。
ジャイアンが自分だと白状した。

理由は
「家でテレアポするのが苦手だから、公衆電話で営業してた」
だった。


もちろん大嘘であり。浮気相手に電話をしていた。


その頃、浮気相手も旦那にバレて実家に戻っていたようで、
遠距離となり電話代が高騰し、
ジャイアンは会社のテレカに手をつけてしまったようだった。

女王様はあやしんでいたものの、その時はジャイアンの話しを信じて、
「今後、営業電話は会社でして!共有の備品は勝手に使わないで!!」となった。


そりゃそうだ。


そしてジャイアンは、おそろしいことに
「電話は会社でして」だけを守ってしまった。。。


女王様のいない日に、会社から浮気相手に電話をしていたようで…。


翌月、高額となった電話代の請求書が届く。
明細には、浮気相手の実家地域の市外局番が書かれた電話番号が
ずらりと並んでいる。


それを見た女王様は、またまた怒り狂う。
その日、自宅にいた私も呼び出され、またしても4人で話し合いをすることになった。

 

つづく


【今日のわんこ】

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