何もかもが悪循環の暗黒期 さらなる横領発覚

翌日、弁護士のTさんと作戦会議をすることになった。

D社以外で、何か不審な請求書等がないかをチェックすることになり、
1つ怪しいものがあった。

私のダイビング仲間の姪っ子さんが経営している
化粧品会社からの請求書だった。

ただ、さすがのMも、私が紹介した会社ではやらないだろうと思いつつ、
念のためにTさんに話してみた。

「少しでも情報が欲しいので、聞いてみてもらえますか？」と言われたので、
まずは、そのダイビング仲間であるYさんへ相談をしてみた。

Yさんにとってみれば、姪っ子さんの会社のことだし
あまり気が進まないようだったけど、
Mについては、調子が良すぎて気をつけたほうがいいと思っていた様子で。
渋々ながらも姪っ子さんに確認してみると言ってくれた。

でも、「あくまでも、善意の第三者だからね」と念をおされてしまった。
姪っ子さんを疑うようなことを言ってしまって、
申し訳なくて自己嫌悪だった。

Tさんに、その旨を報告すると
「善意の第三者って、なんなんですかね？
悪事に加担している可能性もあるのだから、
快く協力するのが普通だと思いますよ。
申し訳ないなんて思う必要ありませんよ！」と。

Tさんは不正が大嫌い。

前職の商社を退職したのは、中国赴任中に
さまざまな不正を目の当たりにし、クリーンにしようと戦ったものの
巨大組織の中では、正論が通らないこともあったそうで、
巨悪に立ち向かうためには、法の知識が必要だと痛感したそうだ。

そんな経験から、弁護士になろうと一念発起して会社を退職し、
ロースクールに通い始め、司法試験一発合格と同時に40歳で出産。。。
本当に筋の通った強い女性なのだ。

【今日のわんこ】