運と感性とひらめきでやってきた。

なんとなく20年、女社長の振返り日記。1999年に会社設立して、いま思うこと。

社員と一緒の激動期 9

新人に期待していたこと


もちろんSも、Nの初受注は喜んでいた。


Nも嬉しい気持ちの反面、
ちょっとSに申し訳ない気持ちもあったように思う。


だから、あまり大げさには喜びをあらわしていなかったし
その気持ちも理解できた。


色んな話しをしてるうちに
ちょっとSの呂律が怪しくなってきたな〜と思ってたら、
いきなりSが「せっかく麦とオレンジさんがお祝いしてくれてるのに、
何で喜ばないのよ」とNに絡み始めた。


「初受注したんだから、喜びなさいよ。
私のこと気にしなくていいんだから、喜んでよ!」
しかし、どう見ても、気にしなくていい雰囲気ではない(笑)


Nも苦笑いするしかなく、
「俺のは本当にまぐれで。
麦とオレンジさんと同行しなければ決まってないし、
Sは俺より全然できてるし、すぐに受注できるよ」
と一生懸命Sをなだめようとしていた。

いつもは、いい子ちゃんで毒を吐いたりしないSだが、、、
相当に悔しかったようで、

「そんなの当たり前じゃん、私のほうができる子なんだから、
すぐに受注するわよ」と言い返した時に、
日本酒を飲んでた陶器のグラスが倒れた。


あ〜こぼれる!と慌てたけど、
お酒はすでに空っぽになっていた。。。


Nを間に挟んでいたので、気づかなかったけど、
Sはあまり飲んだこともない日本酒を、
一気呑みに近い感じで飲んでしまったようだった。
よくよく見ると、目もうつろで焦点もあってない。


お店の人が「奥に和室があって、今日は使ってないから、
少し寝かせてあげたら?」と言ってくれたので、
お言葉に甘えてSを和室に連れていった。


「大丈夫です〜。」と言ってたけど、
和室で横になると、すぐにグーグー寝息をたてて寝てしまった。


呑んだくれてクダ巻いて寝てしまう。。。
相当、とんでもないけど(笑)


それだけ一生懸命やってたんだろうし、
悔しい気持ちを持てるっていうのも、新人だからこそだ。


でも、こんなとんでもない奴でも
自分の会社のメンバーだと、かわいく思えるのも不思議だった。


しかし、その後が大変だった!


Sを寝かせて、しばらくNと話してた。

「Sも悪気はないし、頑張ってる分悔しいんだと思うから、
許してやってね」と言うと、


「僕よりもSのほうが仕事ができるのに、
初受注を先にしてしまって、申し訳なくて…
あまり喜んだら悪いなと思って。
麦とオレンジさんにお祝いしてもらってるのは、本当に嬉しいです!」
と言ってくれた。


「初受注は運もあるけど、頑張った結果だから喜んでいいんだよ。
でも、いつまでも運では仕事はできないから、
これからもSと一緒にしっかり頑張ってね」
ということで、きれいにまとめ、そろそろ帰ろう。


ということでSを和室に迎えに行ったら、Sがいない。。。


どこに行ったんだろうと名前を呼ぶと返事はある。
頭の中は「???」となりながら、部屋を探すけど見つからない。


Nとお店の人にも手伝ってもらいSを探す。
ふっと窓をあけると、窓と外壁の間に挟まったSがいた。


寝ているうちに暑くなったようで、
窓の外に出ようとしたのかもしれないけど、もう意味不明の行動だった。


「何やってるの?」と聞いても、
へらへら笑っているだけで、ラチがあかない。


これ以上いるとお店に迷惑がかかりそうなので、
Nにも手伝ってもらい、お店の外に連れていき、
とりあえず、その日は私の家に連れて帰った。


帰り道、泥酔してるSは、私の手を握りながら
「麦とオレンジさん、私も頑張って初受注しますから、待っててくださいね」
と何度も何度もしつこく言っていた。


そんな22歳の酔っ払いも、今年で40歳になる。
仕事も任せられるし、私の気になることは先回りしてやってくれるし、
立派な大人になったけど、、、


今もときどき、酔っ払うとしつこいのは、かわらないかな〜!(笑)


【今日のわんこ】

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