7年間の共同経営 62(退職までの日々16)
*前回からのつづき
話し合いは、当然のように夜だった。
まずは女王様から
「どうしても辞めたいみたいだから、認めてあげるよ」と言われた。
内心、まだ認められてなかったの???と思いながらも黙って聞いていた。
続いてジャイアンが「この7年間、家族以上に長い時間一緒にいたから
ファミリーだと思ってたけど、残念だ。
俺たちがどんな気持ちになったかを考えてみろよ。
H部長にも迷惑かけるし、どういうつもりなんだよ。」と言った。
そう言えばジャイアンは自分が何かやらかした時に、
「ファミリーだと思って甘えていた」と言い訳してたことを思い出した。
都合のいいファミリーだな~としか思ってなかったから、
ファミリーって言われても何も響かなかった。
最後に地蔵男子くんは「お疲れさまでした。」とだけ言った。
ずっと一緒に助け合ってたし、辞めるにあたって
一番気になっていたのが地蔵男子くんだったけど、やっぱり最後まで、
表立ってジャイアンと女王様には何かを言ってくれたわけではなかった。
そして、女王様が切り出した。
「事務的なことなんだけど、麦とオレンジが持っている株を買い戻したいと思ってるの」
もちろん、こちらもそのつもりだったからその旨を伝えると
「本当なら、勝手に辞めるって言い出して迷惑かけられてるし、
お客さんも持っていかせてあげるんだから、買い戻す必要ないんだけど、
まあ会社作って大変だと思うので、100万円で買い取ってあげる」と言われた。
当時、株式会社は1000万円の資本金だったので、
私はその 1/4の250万円分の株を持っていたけど、
迷惑料として150万円支払えってことらしい。
言い分は色々とあったけど、私の優先順位は辞めることだったから、
条件をのむことにした。
最後の最後までこうなんだな~と思ったら、ちょっと涙が出そうになったけど、
この人たちの前では絶対泣かない!と思って我慢した。
家に帰って母に電話して、株の話しをしたら大激怒していた。
私が怒ろうと思ってたのに、凄まじい勢いで母が怒ってくれたので、
何だかどうでも良くなってきた。
「自分の会社で150万円の何倍も何十倍も何百倍も稼ぐから大丈夫!」と
母に言ったし、自分にも言い聞かせた。
つづく
【今日のわんこ】